○○○○様
お手紙、拝見致しました。
大変な衝撃を受けております。
それ以上に、○○さんが受けて、引きずっておられる衝撃と痛みに同情せざるをえ
ません。
ただただ、おわびするしかありません。
ホームページの方は、少し前にみておりました。
それ以来○○さんの深い心の傷 と、私どもの先輩が犯した罪のことを思い、どう対処していいか悩み、眠れぬ夜を過
ごしたこともあります。
今(こ)のたび、お手紙をいただき、重くて大きな鉛が、私の心の中に沈み込んできましたが、今、きっちりと○○さんと向かい合わなければと思っています。
サレジオ学園での出来事については、以前から、それらしきうわさを
耳にしておりました。
ただ、事実を確かめるにも、当人がすでにおらず、当学園をは
じめ関係者には、問題を喚起し、注意を促してはおりました。
過去の様々な問題を再 燃しないためにも、十数年前、学園の環境と体制を変えてきました。
かつての時代と異なって、ここ数年は、心身の虐待を背負って入所してくる子供たち
が多くなり、学園関係者は、大変苦労しているようです。
いずれにしても、再びあゆ まちを繰り返すことのないよう厳重に対処したいと考えております。
○○さんには、何よりも、心からおわび申し上げます。先輩の犯した罪をどうかゆる
して下さるようお願いいたします。
そして、○○さんの心に深く刻まれてしまった傷
のいやしのために、何かをしたいと思っています。
もし差し支えなければ、一度、お目にかかって直接謝罪できたらと願っています。
いかがでしょうか?
何分、私は、会の代表をしている立場上、国内外の出張が多く、ずっとかかわりをも
っていくことは少々むずかしいかも知れませんが、そんな場合、しかるべき代理の者
を、と考えています。(明後日から二週間ばかり外国出張です)
最大の問題というか、気がかりなことは、○○さんの傷心をいやすために、何が、私
共にできるかということです。
そのために、会として真摯に向き合うつもりです。
昨年、会が来日して75年を迎えるにあたり、大聖年の教皇様の姿勢にならって、私
共も、過去75年のあやまちに対して、ゆるしを願い和解の歩みを始めたいという心
をあらたにしました。
現実的には予想もしない事態がおこったり、自分たちの弱さや
限界に直面して、その歩みがにぶることがあるでしょうが、できる限り、度々、心を
あらたにしていく努力を忘れないでいたいと思っています。
最後に○○さん、あらためて、ゆるしを心よりお願いして、返事を出させていただき
ます。どうか、一度お目にかかる機会を下さい。
ご連絡をお待ちしています。
六月二十一日
ゆるしといやしを実らせて下さる神様に祈りつつ
藤川長喜
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